2.11. 買掛債務の 200 の支払

買掛債務の支払い期日がきたので、 買掛債務をアゴヒゲさんに支払いました。

これは、取引No8 : 商品掛け仕入で、掛けにしていた仕入代金です。 ここでは、「バー」で取引No8の数字を変えられる関係上、支払額の上限を200としています。 買掛金の残高がマイナスになってしまうので、もし、取引No8で200を下回る仕入金額にしていたら、ここでの支払をそれ以下に調整してください。

通常は「 月末締め翌月末払い 」とか「 25日締め翌々月払い 」などいうように、ある期間に発生した取引先毎別の買掛債務をある期日までに支払います。 取引No8で金額を200以上に変更した場合は、支払期日が違った（残額は翌月など）と解釈してください。
「【補足3】決済条件 ~ 月末締め翌月末払い（作成中）」で図を使って補足します。

直接法CFでは、取引No7の現金仕入で計上済みの「商品仕入支出 ▲500」に、 今回の支払分 ▲200 を加えます。 現在までの商品仕入に関しての支出の合計は「 ▲700」になりました。

次に、間接法キャッシュフローの調整を確認しましょう。 買掛金残高が 200 から 0 になりました。それに合わせ、「 仕入債務の増減 」の調整も、「 200 」から「 0 」に修正します。

「買掛金 200 」の支払いにより、「 現金及び預金」の残高が 1,111 から 911 に減り、流動負債の「買掛金」が 200 から 0になります。

買掛金の支払いで、P/Lは動きません。

ところで、P/Lをみれば、「営業利益」が 890 もあるのに、営業キャッシュフローは -119 だけしかありません。 商売は順調そうなのに、クチヒゲさんに一体何が起きたのでしょうか。 間接法は「税引前当期純利益」から始まるので、ここをみれば答えがわかるはずです。

資金繰りにマイナスの影響を与えたものの正体は、「売上債権」と「棚卸資産」です。 これはB/Sを見てもわかりますが、仕入れたものの まだお金に変わっていないお店に並んだリンゴ と 未回収の債権です。 このように、一見売上げが上がって商売が順調そうにみえても、在庫を持ったり、事業者へ売上げがたつビジネスモデルを採用する場合、資金繰りに窮することがよくあります（これがいわゆる「勘定合って銭足らず」状態です）。