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財務3表編 - 概要とまとめ

目的

このコンテンツの目的は、会計・簿記の全体像と財務諸表や帳簿の基本的な仕組みと中身を理解することです。
一度、会計・簿記の全体像をつかんでしまえば、会計・簿記に対する恐れがなくなり、ストレスなく学習を継続できます。

会計・簿記の初学者の方が特に苦手意識をもちやすい、いわゆる「財務3表」を扱っています。
詳細は後述しますが、財務3表とは、
貸借対照表(B/S : Balance Sheet)」、
損益計算書(P/L : Profit and Loss Statement)」、
キャッシュフロー計算書(C/S : Cash Flow Statement)」の3つの表のことです。 これに加えて、
株主資本等変動計算書(S/S : Statements of Shareholders' Equity)」というものもあります。

前提

このコンテンツは、ある程度基本的なところは、Part1のイントロダクションで解説しますが、 基本的な会計・簿記の基礎知識がある前提で、一部解説を省略しているところがあります。
従って、まずは「会計・簿記の入門編」の「 Part 1. 会計の基礎知識 」あたりをざっと確認することをお勧めします。

特徴は3つ

「ボタン」を押したり、「バー」を操作したりとインタラクティブ(双方向)に財務諸表や帳簿の数字を操作できること、これが最大の特徴です。

インタラクティブに数字を変更できるため、それに応じて、取引の図の数字、仕訳、総勘定元帳、試算表、財務諸表のすべてが連動します。

また、コクピットの計器盤のようにデータを配置することで、数字の変化を楽しみながら学習できます。 実際に数字が連動して動いたりする様子を「見る」ことで、紙の書籍と比べても、直感的に理解できるよう工夫しました。

各取引に関する財務諸表や仕訳や元帳、図の数字の変化を見て楽しみましょう。

  1. インタラクティブに会計データ(仕訳や財務諸表などの数字)を操作できる
  2. 会社設立から翌期の配当支払いまでの合計25コの取引を用意
  3. 財務3表(+S/Sも)をコクピットの計器盤のようにまとめて理解

1. インタラクティブ(双方向)性

画面にある「ボタン」や「バー」を操作し、数字を変更するだけで、すべての数字が更新されます。

直感的に(それはあたかもパイロットが飛行機のコクピットの計器盤を見るかのように)数字のつながりと全体像が理解できます。

試しに、以下の1つ目の取引「出資金の払い込み(株式発行の設立)」の株式数と株価の「バー」を動かしてみてください。
どちらの「バー」を動かしても、「出資金の額 500」が変動する様子がわかると思います。 単価と数量に分解してバーを動かせるようにしました。

さらに、 出資金 500 の払い込み(株式会社の設立) から、リンク先に飛んでみてください。
リンク先でもその変更した数字で会計データ(解説の中の数字も)がすべて連動しています。
リンク先からざっとページをスクロールして確認してみてください。

No1 :出資金 500 の払い込み(株式会社の設立)
株式数 : 100
100
株価 : 5 万円
5
transactionNo01 現金及び預金残高 代表取締役 出資者 株式 株式数 株価 100 5 500 500 - 500

2. 豊富な取引事例

会社設立から翌期の配当金の支払いまでの簡単な取引事例を24コ用意しました(左の目次を参照)。 帳簿の締め切りも含めれば、25コです。これらは基本的な財務諸表の項目を網羅しています。 もちろん、すべての取引が相互に関連しあっているため、最初の会社設立時の取引の数字を変更すれば、以降すべての財務諸表の「資本金」の額は変更後の数字になります。

3. コクピットの計器盤のようなレイアウトで4つをまとめて理解

画面の上の方に財務諸表を配置させているので、取引が財務諸表のどこに影響を与えるのかが一目でわかるようになります。
財務諸表はそれぞれが密接につながっているため、これがどう変化していくのかがわかれば、「財務諸表が読める」ようになります。

また、仕訳、仕訳帳、総勘定元帳、試算表といった帳簿のつながり、帳簿の締めの手続きもわかるようになります。

もし、経営を飛行機の操縦に例えるならば、会計データは経営のコクピットにある計器盤にあらわれる数字に相当する。 計器は経営者たる機長に、刻々と変わる機体の高度、速度、姿勢、方向を正確かつ即時に示すことができなくてはならない。 そのような計器盤がなければ、今どこを飛んでいるのかわからないわけだから、まともな操縦などできるはずがない。
出所:稲盛和夫 「稲盛和夫の実学」 日経ビジネス人文庫 pp.40

先ほど、このリンク先「 出資金 500 の払い込み(株式会社の設立) 」をたどった方はもうお分かりだと思います。
ページの切り替えボタン「Next」を連続で押すと数字が切り替わっていく様子がわかります。

各PartとChapterのサマリー

それぞれのページのまとめを記載しました。

ざっくりと取引の全体感を把握するため、ボタンを押下しながら、財務諸表の動く様子と図を同時に確認します。
取引が財務諸表になるまで5つのStepがあります。 画像は小さいので、詳細はページに飛んで確認し、ここではイメージだけつかんでください。

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企業の3つの活動(営業・投資・財務活動)を数字で表したものが「財務諸表」です。
ここでは、実際にボタンを押しながら、取引から財務諸表を作ってみます。難しいことはありません、ボタンを順番に押すだけです。
貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書の4つの表は、それぞれがつながっています。 財務諸表を読み解いたり、理解するためには、このつながりを意識することが極めて重要です。
損益計算書の右側は、企業がある期間の間にお金をいくら稼いだかを表しています。 損益計算書の左側は、その収益を稼ぐためにお金をいくら費やしたかを表わしています。 それぞれを収益と費用といいます。 「報告式」という方を主に使います。
B/Sの右側では資金の調達元がだれか、その左側では調達した資金が何で運用されているかをあらわしています。
キャッシュフロー計算書は、B/Sの現金及び預金の増減明細表です。
株主資本等変動計算書は、B/Sの純資産の増減明細表です。
会社設立から翌期の配当金の支払いまでの簡単な取引事例を24コ(帳簿の締め切りも含めれば25コ)を使って、財務諸表をマスターしましょう。 仕訳(帳)以外の各帳簿についても、苦手意識を持ちやすいところの1つです。 すべての取引毎に主要簿(仕訳帳と総勘定元帳)もつけました。
補足 : 財務3表に苦手意識を持ちやすい理由

理由は2つあります。

1つ目は、財務3表のうち、キャッシュフロー計算だけは日商簿記1級の範囲だからです。 これが原因でキャッシュフロー計算書自体に触れる機会がほとんどありません。 キャッシュフロー計算書は難しい内容ではありません。 なぜなら、キャッシュフロー計算書は、現金及び預金の増減明細表にすぎないからです。

2つ目は、財務諸表間のつながりがわかりずらいからです。 紙面で学習すること及びそれを前提にした教え方が多く、文章を読んで数字のつながりを理解するのは骨が折れます。
さらに、「仕訳」中心の学習スタイルになりがちなので、仕訳がどう財務諸表に影響するかまであまり触れられません。 なお、日商簿記検定に合格することだけを考えれば、仕訳を中心に学習を進めるのは有効です(取引を仕訳に変換できればあとはパズルだから)。

なお、仕訳はここの問題集を使って基本的なところはぜひマスターしましょう。 参考リンク:仕訳問題集