2.20. 減価償却費の計上 - 決算整理

ここからは、決算整理です。 決算整理は、1年間の儲けを確定する手続きです。

期中に資産計上した有形固定資産を費用に振り替えます（減価償却）。 このときに使う費用科目が「減価償却費」です。

ここに直接関係ない補足です。 減価償却費は英語で「Depreciation and Amortization」と訳されることがあります。 ここで「Depreciation」と「Amortization」の2つがあることに気づきます。なぜでしょうか。 日本のP/Lの「減価償却費」には、①有形固定資産の償却費用と②無形固定資産の償却費用の2つが含まれて表示されることがあります。 有形固定資産の償却が「Depreciation」であり、無形固定資産の償却が「Amortization」です。

決算整理なのでキャッシュは動きません。直接法CFの調整はありません。

間接法CFにおいて、 「減価償却費」はキャッシュが出ていかない費用（非資金損益項目）なので、税引前当期純利益に足し上げます。

これで間接法の3つの調整をすべて確認できました。

1. 現金の支出を伴わない損益項目（非資金損益項目）
2. 営業損益に関係しない損益項目
3. 営業活動に係る資産および負債の増減

毎期算出した「減価償却費」は、B/Sの「減価償却累計額（資産のマイナス） 」に蓄積されます。 これはB/Sの有形固定資産の中の 資産の控除項目として、表示します。

ここでは簡便的に、残存価額をゼロとして、取得価額を償却年数で除した1年分の金額を「減価償却費」とします。

実際は、資産毎に、取得し使い始めたときからの月割り計算を行ったり、定率法を使ったりとひと手間必要なところです。