2.2. 会社設立費用 30 の支払
キャッシュフロー計算書 (C/S)
貸借対照表 (B/S)
損益計算書 (P/L)
金額 | |
売上高 | - |
---|---|
売上原価 | - |
売上総利益 | - |
役員報酬 | - |
法定福利費 | - |
広告宣伝費 | - |
消耗品費 | - |
減価償却費 | - |
販売費及び一般管理費 | - |
営業利益 | - |
受取利息 | - |
営業外収益 | - |
支払利息 | - |
創立費 | 30 |
営業外費用 | 30 |
経常利益 | -30 |
特別利益 | - |
特別損失 | - |
税引前当期純利益 | -30 |
法人税等 | - |
当期純利益 | -30 |
株主資本等変動計算書 (S/S)
株主資本合計 | 純資産 合計 | |||
---|---|---|---|---|
資本金 | 利益 剰余金 | 株主 資本 合計 | ||
当期首残高 | - | - | - | - |
新株の発行 | 500 | - | 500 | 500 |
当期純利益 | - | -30 | -30 | -30 |
当期変動額合計 | 500 | -30 | 470 | 470 |
当期期末残高 | 500 | -30 | 470 | 470 |
取引内容 |
---|
会社設立費用 30 を現金で支払った (営業外費用に計上)。 |
概要 | 仕訳の左側(借方) | 仕訳の右側(貸方) | ||
---|---|---|---|---|
設立費用 | 創立費 | 30 | 現金及び預金 | 30 |
会社設立に際しては、法人としての登記が必要になり、登記費用などを法務局などに支払わなければなりません。
会社設立に関する費用は、原則、 支出した期の費用 として処理します。
このような会社設立に要した支出の効果は、初年度のみならず会社が倒産しない限り、長期間に及びます。 そのため、設立費用は支出時にその全額をP/Lの費用として処理するのではなく、B/Sの「 繰延資産 」として資産に計上することが認められています。 資産に計上した場合、この創立費は5年かけて資産から費用に振り替えます。
なお、繰延資産として計上できる費用には、他に「開業費」、「社債発行費」、「株式交付費」、「開発費」の4つがあり、「創立費」も含め5つあります。
繰延資産に関する詳細な会計処理については、以下で確認できます。
参考:「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」企業会計基準委員会 実務対応報告第 19 号
会社設立費用は、その支出の効果が、将来に及ぶため、「 投資キャッシュフロー 」とします。
投資キャッシュフローの「その他の投資支出 ▲ 30 」として記録します。
間接法の営業キャッシュフローに注目してください。 P/Lの営業外費用の「創立費」として記録されたため、 税引前当期純利益はマイナスの状態 です。 このマイナスの税引前利益に 営業外費用項目の「創立費」を足し戻す ことで、営業キャッシュフローを「0」に調整しています。
参考:「1.7. キャッシュフロー計算書の構造」
会社設立費用として現金を 30 支払った分、 現金及び預金の残高が 500 から 470 に減少しました。
次に、B/Sの右側に注目してください。
P/Lの当期純利益の減少を通じて、株主資本の 利益剰余金が▲ 30 になりました 。
その結果、B/Sの 資産合計 470 と負債・純資産合計 470 が一致 しています。
会社設立費用を繰延資産とはしないで、営業外費用の「 創立費 30」として、一括で費用処理することにしました。 これにより、P/Lの最終行の「当期純利益」が▲ 30 になります 。
なお、ここまでの2つの取引でも明らかなように、 P/Lの当期純利益がマイナスになったからと言って、会社が倒産するわけではありません。会社が倒産するときは、B/Sの「現金及び預金」がゼロを下回ったときです。 同様に、 P/Lの当期純利益が+プラスだからといって、株主に配当できる資金が会社にないことも充分にあり得ます。投資の機会があれば、「現金及び預金」ではなく、他の資産に投資されているはずだからです。
現金及び預金勘定 - 総勘定元帳
取引No | 取引概要 | 借方金額 | 貸方金額 | 期末残高 |
---|---|---|---|---|
#1 | 株式発行収入 | 500 | - | 500 |
#2 | 設立費用の支払 | - | 30 | 470 |
合計 | 500 | 30 | 470 |
創立費勘定 - 総勘定元帳
取引No | 取引概要 | 借方金額 | 貸方金額 | 期末残高 |
---|---|---|---|---|
#2 | 設立費用 | 30 | - | 30 |
合計 | 30 | - | 30 |
取引No | 概要 | 仕訳の左側(借方) | 仕訳の右側(貸方) | ||
---|---|---|---|---|---|
#1 | 出資金の払込 |
現金及び預金
|
500
|
資本金
|
500
|
#2 | 設立費用の支払 |
創立費
|
30
|
現金及び預金
|
30
|
勘定科目 | 期首 残高 | 借方 合計 | 貸方 合計 | 期末 残高 |
---|---|---|---|---|
現金及び預金 | - | 500 | 30 | 470 |
商品 | - | - | - | - |
売掛金 | - | - | - | - |
前払費用 | - | - | - | - |
建物 | - | - | - | - |
工具器具備品 | - | - | - | - |
車両運搬具 | - | - | - | - |
長期貸付金 | - | - | - | - |
買掛金 | - | - | - | - |
短期借入金 | - | - | - | - |
預り金 | - | - | - | - |
前受収益 | - | - | - | - |
未払法人税等 | - | - | - | - |
長期借入金 | - | - | - | - |
減価償却累計額 | - | - | - | - |
資本金 | - | - | 500 | 500 |
利益準備金 | - | - | - | - |
繰越利益剰余金 | - | - | - | - |
売上高 | - | - | - | - |
受取利息 | - | - | - | - |
売上原価 | - | - | - | - |
役員報酬 | - | - | - | - |
法定福利費 | - | - | - | - |
広告宣伝費 | - | - | - | - |
消耗品費 | - | - | - | - |
減価償却費 | - | - | - | - |
支払利息 | - | - | - | - |
創立費 | - | 30 | - | 30 |
法人税等 | - | - | - | - |
損益 | - | - | - | - |
合計 | - | 530 | 530 | - |