2.6. 銀行から資金 600 を調達 - 運転資金

会社設立費用、パソコンの購入、営業経費の支払いなどが重なり、手元資金残高が少なくなってきたので、運転資金として、銀行からお金を借りました。

事業が拡大すれば、手元のお金だけでは不足することがあり、そんなときに銀行などからお金を借ります。 会社は借りたお金（すなわち元金）に、利息をつけて、返済期日に返済することを約束し、お金を銀行から借ります。

このお金は将来返済する義務があり、会社にとっては借入債務 （銀行にとっては将来返済を受ける貸付債権）です。 このお金を返す取引は「 取引No17 : 借入返済 - 短期」で確認します。

なお、取引内容の文章では「借入元本との差額 591 が普通預金口座に振り込まれた」としていますが、図ではわかりやすいように、元本の入金 600 と 利息支払い 9 が両方あったようにしています。

株主から出資を受けたのと同じように、銀行からの資金調達は、「財務キャッシュフロー」です。

借入元本分のキャッシュの増加 600 について、 財務キャッシュフローの「短期借入による収入 + 600 」に記録します。

営業外費用項目の「支払利息」を足し戻すのは、創立費の調整と同じ です。利息の支払については、 営業キャッシュフローとして調整する方法と財務キャッシュフローとして調整する方法があります。 今回は営業キャッシュフローとして調整します。 「営業キャッシュフロー」の「利息の支払額」に▲ 9 をいれます。

間接法の「小計」の金額が、P/Lの営業利益と同額になっていることに注目してください。 これまで触れてきたように、 運転資本に関するB/Sの調整（と減価償却）がなければ、 間接法の「小計」の上の調整は、P/Lの営業利益に戻しているだけ だからです。

お金を銀行から借り入れた分 591 （借入元本 600 と支払利息 9 の差額）、 現金及び預金の残高が 420 から 1,011 に増えます。

この取引で発生した、借入債務 600 は、借入期間が半年なので、短期の借入金です。 B/Sの右側の負債の部に「短期借入金 600 」として記録されます。

また「利益剰余金」は、P/Lに「支払利息」が 9 計上されたことで、▲ 40 から ▲ 49 に減ります。 これにより、B/Sの左右は金額が一致します。

なお、長期での借入取引は、No14 銀行借入 - 設備投資資金で確認します。

取引量が多くなるにつれて、勘定残高を構成する要素を把握するのが困難になります。 そんなときは総勘定元帳をみましょう。すべての取引記録を確認できます。 現金及び預金の総勘定元帳を試しにみてみましょう。

支払った利息は、営業外費用の「支払利息 9 」に記録します。
元本 600 に年利率の 3 ％を乗じて年あたりの利息費用を計算し、借入期間である半年分を計上します。

これにより、「当期純利益」が ▲ 40 から ▲ 49 に減りました。