7.2.1. 減価償却の計算 - 決算
「有形固定資産」の帳簿価額をその使用する期間にわたり、費用へ振り替えること、これが「減価償却」です。
このときに、費用の勘定科目に用いるのが「減価償却費」です。
減価償却の計算方法
減価償却費の計算方法には「定額法」、「定率法」、「生産高比例法」などいくつかあります。
本章ではもっとも基本的な定額法のみ解説します。
このように毎期、固定資産から費用へ振替えることによって、 その資産を利用して得られる収益に対応させ、適正な期間損益計算を行おうとするのが「減価償却」です。
減価償却費の仕訳方法
減価償却費の記録方法は、2つあります。
1つ目は、直接(控除)法、2つ目は、間接(控除)法です。 取得価額のうち、償却済み部分がわかるため、間接法の方が一般的です。
減価償却費勘定の例題 - 1
減価償却費勘定の例題を確認しましょう。これは直接法です。
例題
決算において期首に購入した営業用車両(取得原価300、耐用年数3年、残存価額はゼロ)について、定額法により減価償却を行った(直接法)
1. この取引で増減するのはどの要素?
左側(借方)
右側(貸方)
2. その勘定科目と金額は?
借方科目と金額
貸方科目と金額
解説です。
直接法なので、車両運搬具を直接減額し、仕訳の右側「車両運搬具」勘定を減らしつつ、その金額を仕訳の左側の「減価償却費」勘定に振替えます。減価償却費勘定の例題 - 2
減価償却費勘定の例題を確認しましょう。これは間接法です。
例題
決算において期首に購入した営業用車両(取得原価300、耐用年数3年、残存価額はゼロ)について、定額法により減価償却を行った(間接法)
1. この取引で増減するのはどの要素?
左側(借方)
右側(貸方)
2. その勘定科目と金額は?
借方科目と金額
貸方科目と金額
解説です。
間接法なので、「減価償却累計額」を使います。 資産のマイナスとして、仕訳の右側に「減価償却累計額」と記録します。 直接法と同じく、仕訳の左側は「減価償却費」と記録します。