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はじめに

このコンテンツは、自著をWebアプリにしたものです。
また、初学者向けに作成しているため紹介する勘定科目は日商簿記3級よりも少ないですが、 会計の本質をぎゅっと詰めています。
ここをざっくりと見た後で日商簿記3級の参考書などを読めば、スッと理解できるはずです。

最も大切なポイントは2つ

本書で最もお伝えしたいことは2つあります。

  1. 簿記にはたった「 5つの要素 」しかないということです。
    これについては「 Part 1. 会計の基礎知識 」で確認します。
  2. 「仕訳」というものがあり、最初はこれも王道の 5パターンだけ覚えればよい ということです。
    これについては「 Part 4. 仕訳のパターン 」で確認します。

この2つさえ理解できてしまえば、あとは取引にできるだけ多く慣れ、仕訳の作法(どの取引にどの要素のどの勘定科目を当てはめるのかなど)に慣れるための練習問題を数多くこなすことが大切です。
仕訳については「 Part 5. 取引を仕訳に変換 」で5つの要素ごとに解説します。
仕訳の演習問題については「 まとめ - 仕訳演習問題 」に日商簿記3級の論点の仕訳問題を用意しました。

簿記とはつまるところ、「モノの数え方」です。 それさえ頭に入れられれば、あとは取引を5つの要素に整理整頓するための「勘定科目」を覚えるだけです。 英語も単語数は多いですが、5文型しかないのと同じで、会計・簿記も勘定科目は多いように思うかもしれませんが、たった5要素だけです。

全体の構成

以下は、ボタンを押して、図を変えながら読み進めてください。

Part1では、会計とはなにかを解説し、財務諸表の概要と簿記全体の流れについてみていきます。
Part2と3では、財務諸表のうち、「貸借対照表」と「損益計算書」の構造と勘定科目について解説します。
Part4と5では、簿記の中でもっとも重要な「仕訳」についてみていきます。
仕訳のパターンを確認し、主要な取引を仕訳に変換していきます。
Part6では、仕訳を勘定に書き写します。
単に、仕訳帳の記載内容を総勘定元帳に書き写すだけです。
Part7では、「決算手続き」を確認します。決算では試算表を作成し、決算整理仕訳を加え、最後に財務諸表を作成します。
Part8では、仕訳の練習問題をまとめています。
すでに確認した仕訳にいくつか追加問題を加えました。復習の際にざっと確認しましょう。

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Part1では、会計とはなにかを解説し、財務諸表の概要と簿記全体の流れについてみていきます。

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Part2と3では、財務諸表のうち、「貸借対照表」と「損益計算書」の構造と勘定科目について解説します。

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Part4と5では、簿記の中でもっとも重要な「仕訳」についてみていきます。
仕訳のパターンを確認し、主要な取引を仕訳に変換していきます。

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Part6では、仕訳を勘定に書き写します。
単に、仕訳帳の記載内容を総勘定元帳に書き写すだけです。

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Part7では、「決算手続き」を確認します。決算では試算表を作成し、決算整理仕訳を加え、最後に財務諸表を作成します。

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Part8では、仕訳の練習問題をまとめています。
すでに確認した仕訳にいくつか追加問題を加えました。復習の際にざっと確認しましょう。

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各Partのサマリー

最初、会計独特の用語に慣れるのに苦労するかもしれません。このPartではそもそも会計とは何か、 財務諸表とは何か、簿記とは何かを俯瞰的に図で丁寧に確認します。
会計とは何か、会計と簿記の違い、会計とファイナンスの違い、企業の3つの活動(財務活動、投資活動、営業活動)について確認します。
会計・簿記にはたった 5つの要素(資産、負債、純資産、費用、収益)しかありません。 会社の活動である「取引」をたったの5要素にしか分類しないことに最大の特徴があります。
ある 会計期間 の企業の情報を伝達するための財務諸表には主に、 貸借対照表(資産・負債・純資産) 損益計算書(費用・収益) の2つがあります。 5つの要素の詳細を表示するために 勘定科目 を使います。
簿記の全体の流れのことである 簿記一巡 、取引を振り分ける 仕訳 、その 仕訳の作り方 について確認します。
なぜ、そもそも勘定は左と右にわかれるのか、なぜ仕訳を左右で数えるのかについてみていきましょう。ここは最も重要です。 ここの考え方さえ理解できれば、あとは取引で動いた5つの要素とその勘定科目を当てはめて仕訳に変換し、パズルを組み立てるように財務諸表を組み立てるだけです。
5つの要素のうち、貸借対照表を形作る「資産」と「負債」、「純資産」の3つを確認します。 5つの要素の中にはどんな勘定科目が取引を収納する引き出しとして用意されているかのイメージをもっておくとよいでしょう。
貸借対照表の側にある「資産」の勘定科目にどんなものがあるのか確認します。
貸借対照表の側にある「負債」の勘定科目にどんなものがあるのか確認します。
貸借対照表の側にある「純資産」の勘定科目にどんなものがあるのか確認します。
5つの要素のうち、損益計算書を形作る「費用」と「収益」の2つを確認します。
損益計算書の側にある「費用」の勘定科目にどんなものがあるのか確認します。
損益計算書の側にある「収益」の勘定科目にどんなものがあるのか確認します。
英語の5文型と同じように、一見複雑なようにみえて実は仕訳はシンプルです。 勘定科目の種類は多いように感じるかもしれませんが、たった5要素しかなく、よくみる仕訳のパターンは、10パターン程度です。 理解しやすい資産との組み合わせのパターンから覚えましょう。
各取引例を仕訳に変換していきます。これがまず最初の簿記一巡のStep01 取引を仕訳に変換 です。 簿記一巡で最も重要です。ここさえできればあとは足し算と引き算で財務諸表をくみ上げるだけです。 仕訳がしっかりできればその他のところは手順を覚えるだけです。
仕訳を各勘定に書き写します。簿記一巡のStep02 仕訳を勘定に転記 です。
5つの要素のうち、貸借対照表を形作る「資産」と「負債」、「純資産」の3つを確認します。 5つの要素の中にはどんな勘定科目が取引を収納する引き出しとして用意されているかがざっくりとイメージできるとよいです。
各勘定の残高から試算表をつくります。簿記一巡のStep03 勘定から試算表を作成 です。
決算整理仕訳を追加します。簿記一巡のStep04 決算整理を実施 です。
決算整理を追加後の試算表から貸借対照表と損益計算書などの財務諸表を作ります。簿記一巡のStep05 試算表から財務諸表を作成 です。

図の見方

話者と聞き手との間で図の解釈が共有されている場合に限り、図を使った説明はわかりやすいといわれます。 ここでは図の見方(絵の位置関係だけ)を確認します。 各用語の解説は各Partで後述しますので、わからない用語はとばして大丈夫です。

仕入先は必ず当社の左側に、得意先は当社の右側に位置させています。 これは費用が左側に位置すること、収益が右側に位置することに合わせています。 これにより原則、お金は右から左に流れ、モノは左から右に流れます。
また、銀行も当社の右側に位置させています。 これは負債が右側に位置することに合わせています。 債務の発生も当社の右上に位置させることで負債の発生位置と合わせています。
出資者(株主)も当社の右側に位置させています。 これは純資産が右側に位置することに合わせています。
図の見方から脱線しますがこのように、会計では企業にお金が増えたとき、大きく3つにわけます。 1つ目は借りたお金、2つ目は(出資して)もらったお金、3つ目は稼いだお金です。
借りたお金を返せば、債務はなくなります。 反対に、お金を貸せば、債権が発生します。このように、お金を貸したときに発生する債権は、当社の左上に位置させています。これは資産の増加が左側に位置することに合わせています。
債権・債務など目に見えないモノ(抽象概念)は点線で表し、現金のような目に見えるモノは実線で表します。 色使いは好みがわかれると思います。ここでは、債権は将来的にお金に変わる「幸せなモノ」なので温かいピンク色、債務は将来的にお金が出ていく「嬉しくないモノ」なので寒いイメージのある青色を使いました。

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仕入先は必ず当社の左側に、得意先は当社の右側に位置させています。 これは費用が左側に位置すること、収益が右側に位置することに合わせています。 これにより原則、お金は右から左に流れ、モノは左から右に流れます。

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また、銀行も当社の右側に位置させています。 これは負債が右側に位置することに合わせています。 債務の発生も当社の右上に位置させることで負債の発生位置と合わせています。

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出資者(株主)も当社の右側に位置させています。 これは純資産が右側に位置することに合わせています。

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図の見方から脱線しますがこのように、会計では企業にお金が増えたとき、大きく3つにわけます。 1つ目は借りたお金、2つ目は(出資して)もらったお金、3つ目は稼いだお金です。

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借りたお金を返せば、債務はなくなります。 反対に、お金を貸せば、債権が発生します。このように、お金を貸したときに発生する債権は、当社の左上に位置させています。これは資産の増加が左側に位置することに合わせています。

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債権・債務など目に見えないモノ(抽象概念)は点線で表し、現金のような目に見えるモノは実線で表します。 色使いは好みがわかれると思います。ここでは、債権は将来的にお金に変わる「幸せなモノ」なので温かいピンク色、債務は将来的にお金が出ていく「嬉しくないモノ」なので寒いイメージのある青色を使いました。

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なお、当社はリンゴの販売(八百屋)が主な事業です。
当社の代表取締役はクチヒゲさんです。 農家を営むアゴヒゲさんからリンゴを仕入れ、レストランを営むハートさんにリンゴを売上げます。

簿記の流れのまとめ図

以下は、取引から財務諸表ができあがる簿記の流れです。Step1からStep5まであります。

各Stepの詳細は、各章で確認しますが、これから何をやっていくのかという全体像を先に頭の片隅にいれておくとよいです。

では、Part1の会計の基礎知識から始めていきましょう!