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5.1.1. 現金勘定

会計では「現金」勘定に記録するのは、紙幣や硬貨などの通貨だけではなく、すぐに通貨に換金できることから通貨代用証券も「現金」勘定に含めます。

簿記検定などに出てくる通貨代用証券には、以下のものがあります。

  1. 他人振り出しの小切手
    小切手とは、当座預金の中から、一定額を自分または自分の指定する人に支払うことを、銀行に委託する証券(紙切れ)のことです。また、小切手に必要事項を記載し、相手に渡すことを振り出すといいます。ここで他人と付くのは、まれに自分が振り出した小切手が銀行で換金されずに、戻ってくることがあるからです。
  2. 配当金領収書
    配当金領収書とは、株主が株式を有する会社から受領した配当金の引換証のことです。 これを郵便局又は指定金融機関の窓口に持ち込めば、配当金を受け取ることができます。 なお、上場会社から配当金を受け取る場合、その株主は銀行口座をもっているため、口座振り込みになることがほとんどです。
  3. 送金小切手
    送金小切手とは、小切手と同じく、証券(紙切れ)です。 通常、送金したい人が「当座預金口座」を開設しなければ、小切手を振り出すことはできません。 送金小切手の場合、送金したい人が金融機関にお金を振り込み、金融機関が振出人となって作成されます。 現在では、口座振込が中心になっているので、国内での送金小切手はほとんど利用されていません。
  4. 期限到来済みの公社債の利札
    公社債を保有していれば、利息を受け取ることができます。 公社債の債券についている利札の期限が来て、それを金融機関に持ち込めば、利息を受け取ることができます。
  5. 郵便為替証書
    郵便為替証書も小切手と同じく証券(紙切れ)です。 ゆうちょ銀行または郵便局に持ち込めば、現金を受け取れます。 受取人の住所さえわかれば送金でき、本人しか受け取れません。

現金勘定の例題

現金勘定の例題を確認しましょう。

例題
普通預金口座から現金100を引き出した
1. この取引で増減するのはどの要素?
左側(借方)
右側(貸方)
2. その勘定科目と金額は?
借方科目と金額
貸方科目と金額

以下の解説は、ボタンを押して、図を変えながら読み進めてください。

この取引は、銀行に開設済みの当社の預金口座から100を引き出し、手元に紙幣を100保有するという内容です。
銀行に開設した当社の預金口座から100を引き出せば、資産である現金が100増えます。仕訳の左側の「現金」勘定を増やします。
一方、預金口座残高は500から400になり、100減ったので、仕訳の右側の「普通預金」勘定を減らします。
左側に「現金 100(資産+)」、右側に「普通預金 100(資産ー)」という仕訳にこの取引を変換しました。

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この取引は、銀行に開設済みの当社の預金口座から100を引き出し、手元に紙幣を100保有するという内容です。

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銀行に開設した当社の預金口座から100を引き出せば、資産である現金が100増えます。仕訳の左側の「現金」勘定を増やします。

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一方、預金口座残高は500から400になり、100減ったので、仕訳の右側の「普通預金」勘定を減らします。

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左側に「現金 100(資産+)」、右側に「普通預金 100(資産ー)」という仕訳にこの取引を変換しました。

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