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7.2.4. 費用の前払と収益の前受 - 決算

費用の前払い

当期にすでに支払っているが、まだ当期の「 費用として発生していない 」場合があります。
この場合は決算整理において、支出した額のうち、まだ当期の費用でない金額を差し引き、来期に繰延べます。

当期に支出し費用処理した300のうち、当期の費用ではない150は「支払家賃」勘定を減らします。
「前払家賃」勘定を使い、費用から資産へ振り替えます。

貸借対照表では通常、前払利息、前払家賃、前払保険料などをまとめて「前払費用」として表示します。 「未収収益」も同様です。

収益の未収

これを貸主(決算日は12月末)からみてみます。
決算日時点では、当期にすでに1年分のお金を受け取ったが、まだ収益として発生していない来期の部分があります。
決算整理において、当期の収益から除き、それを負債に振り替えます。

当期に受取り収益処理した300のうち、当期の収益ではない150は「受取家賃」勘定を減らします。 「前受家賃」勘定を使い、収益から負債へ振り替えます。

「前払費用」と「未収収益」と同じく、「未払費用」と「前受収益」も貸借対照表では通常、関連する勘定科目をまとめて表示します。

費用の前払と収益の前受勘定の例題

費用の前払と収益の前受勘定の例題を確認しましょう。

例題
決算(12月末)において、当期の7月1日に受け取り収益計上した1年分の受取家賃300について、150の繰延べ計上を行う
1. この取引で増減するのはどの要素?
左側(借方)
右側(貸方)
2. その勘定科目と金額は?
借方科目と金額
貸方科目と金額
例題
決算(12月末)において、当期の7月1日に支払い費用計上した1年分の支払家賃300について、150の繰延べ計上を行う
1. この取引で増減するのはどの要素?
左側(借方)
右側(貸方)
2. その勘定科目と金額は?
借方科目と金額
貸方科目と金額

なお、わざわざ決算整理の処理としなくても、期中に代金を支払ったときに前払い処理、代金を受け取ったときに前受け処理をまとめてやった方がよいです。 ただ、なかなか年末にならないと大掃除をしないのと同じように、期中にきっちりと経理処理するのは面倒だったりします。 そんなときに年度末の大掃除として決算整理処理をしているのだ、と思いを馳せてもよいかもしれません。