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7.2.5. 売上原価 - 決算

3分法では、商品を仕入れたときまだ売れてもいないのに、その全額を費用の発生として「仕入」勘定を使って記録しました。 実際に費用とすべきなのは、売上げた分だけです。 期末に売れ残った分を「仕入」勘定から、資産勘定の「商品」勘定へ振り替える必要があります。

たとえば、期首において在庫はなく、期中リンゴ3コ(仕入単価100)を仕入れ、1個あたり100の儲けを乗せ、3コすべてを600で売上げたとします。 期末日に売れ残りはないため損益計算書上、リンゴ3コ分の費用と収益が対応し、その儲け300がきちんと記録されていることが確認できます。
では、リンゴ2つだけしか売上げなかったら、損益計算書はどうなるでしょうか。 リンゴ2つの売上は400ですが、仕入はリンゴ3つ分のままになってしまいます。 計算されるべき儲けは200なのに、損益計算書では100になってしまいます。
そこで、期中で仕入処理したうち、売れ残ったリンゴ1つを費用の「仕入」勘定から資産の「商品」勘定に振り替え、翌期に繰り越します。 こうすることで損益計算書上、リンゴ2つ分の費用と収益が対応し、その儲け200がきちんと記録されます。

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たとえば、期首において在庫はなく、期中リンゴ3コ(仕入単価100)を仕入れ、1個あたり100の儲けを乗せ、3コすべてを600で売上げたとします。 期末日に売れ残りはないため損益計算書上、リンゴ3コ分の費用と収益が対応し、その儲け300がきちんと記録されていることが確認できます。

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では、リンゴ2つだけしか売上げなかったら、損益計算書はどうなるでしょうか。 リンゴ2つの売上は400ですが、仕入はリンゴ3つ分のままになってしまいます。 計算されるべき儲けは200なのに、損益計算書では100になってしまいます。

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そこで、期中で仕入処理したうち、売れ残ったリンゴ1つを費用の「仕入」勘定から資産の「商品」勘定に振り替え、翌期に繰り越します。 こうすることで損益計算書上、リンゴ2つ分の費用と収益が対応し、その儲け200がきちんと記録されます。

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なぜ、3分法では仕入時、費用計上するのか

そもそも商品を仕入れたとき、まだ売上げていないので費用とせず、資産の「商品」勘定を使って記録する方が自然です。
なぜ、3分法では、仕入れたとき費用(仕入)に計上してしまうのでしょうか。

記帳の手間が省けるからです。

八百屋にとってのリンゴのように、反復継続的に売買を行う商品については、 仕入れたときに前もって費用の発生として記録し、期末に棚卸しを行い、費用とし過ぎた分だけ資産の「商品」に振り替えたほうが記録の手間が省けます。

八百屋では1日に何種類も何十個も商品を仕入れ、売上げます。
でも、期末の棚卸は(非上場企業なら)365日のうち1日の1回だけで済みます。
圧倒的にこの方が楽です。

月次の損益なんて1人社長とか少人数の企業ならおおよそ肌感でわかるので、経理処理に人手をできる限り割きたくありません。
リンゴを売上げることに時間を割いた方がいいに決まっています。

売上原価勘定の例題

売上原価勘定の例題を確認しましょう。

例題
決算において、売上原価を算定する。期首の商品在庫はゼロ、期末の商品在庫は100であった。なお、期中の商品売買の記帳方法は「3分法」。
1. この取引で増減するのはどの要素?
左側(借方)
右側(貸方)
2. その勘定科目と金額は?
借方科目と金額
貸方科目と金額

解説です。
期末の商品在庫残高100分を「仕入」勘定(費用)から「商品」勘定を使って資産へ振り替え、翌期に繰り越します。こうすることで損益計算書上、費用と収益が対応し、その儲けがきちんと記録されます。