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補足_ファイル・フォルダ命名ルール

1. データの構造化方法

データを整理し、活用しやすくするためには、データを構造化することが重要です。 データの構造化には主に2つの方法があります。 参考:「ツリー構造とセミラティス構造」 https://design.kyusan-u.ac.jp/OpenSquareJP/?Semi-lattice

  1. ツリー構造(階層構造)
  2. タグ構造(セミラティス構造)

1.1 ツリー構造

ツリー構造は、データを階層的に整理する方法です。大きなカテゴリから小さなカテゴリへと段階的に分類していきます。例えば、「動物」というカテゴリの下に「哺乳類」「鳥類」「爬虫類」などのサブカテゴリを作り、さらにその下に具体的な動物名を配置するといった具合です。

ツリー構造の特徴は以下の通りです。

  • 上位のカテゴリから下位のカテゴリへと順番に辿ることで目的のデータにたどり着ける
  • データの所属するカテゴリが明確で、重複がない
  • 構造が分かりやすく、誰でも理解しやすい

1.2 タグ構造

タグ構造は、データにタグ(ラベル)を付けて分類する方法です。一つのデータに複数のタグを付けることができ、タグを組み合わせることで柔軟な検索が可能になります。例えば、ある動物に「哺乳類」「肉食」「絶滅危惧種」などのタグを付けておくと、それらのタグを使って検索することができます。

タグ構造の特徴は以下の通りです。

  • 一つのデータに複数のタグを付けられるため、多面的な分類が可能
  • タグを組み合わせることで、柔軟な検索ができる
  • データの追加や変更が容易

1.3 ツリー構造とタグ構造の併用

ツリー構造とタグ構造は、それぞれ長所と短所があります。ツリー構造は分かりやすく管理しやすい反面、柔軟性に欠けます。一方、タグ構造は柔軟性が高い反面、管理が複雑になりがちです。

そこで、両者を併用することで、それぞれの長所を活かすことができます。基本的にはツリー構造でデータを整理し、必要に応じてタグを付けるという方法です。こうすることで、分かりやすさと柔軟性を両立させることができます。

2. タイトル整理の原則思想

ファイルのタイトルを付ける際には、以下の3つの原則思想に基づいて行う必要があります。

  1. タイトルと中身が1対1で対応する
  2. 綺麗にソートされる
  3. 検索で確実にヒットする

2.1 タイトルと中身が1対1で対応する

ファイルのタイトルを見れば中身を推測でき、中身を見れば唯一のファイルタイトルを設定できるようなルールが必要です。これにより、タイトルを見るだけで中身を確認する手間が省け、タイトルのばらつきも防げます。

2.2 綺麗にソートされる

Googleドライブなどのツールでは、フォルダやファイルが上下に並んで表示されます。適切なタイトルを付けないと、この並びが不安定になり、視認性が低下します。タイトルの先頭にナンバリングを行うことで、この問題を防止できます。

2.3 検索で確実にヒットする

ファイルを探す方法には、階層構造をたどる方法と、検索ボックスを使う方法の2通りがあります。後者の方法で問題なくファイルを見つけるためには、タイトルに十分な具体性と規則性を持たせる必要があります。検索のしやすさを考慮してルールを作ります。

3. タイトルの基本形

タイトルの基本形は、以下の2つの形式があります。

  • ・「yyyymmdd_大項目_中項目_小項目」
  • ・「大項目_中項目_小項目_yyyymmdd」

これらの形式は、タイトル整理の原則思想を満たすように設計されています。

3.1 項目の大きさ

項目の大きさは、そのファイルが属する集合によって決まります。ファイルが格納される場所の論理に基づいて、タイトルの項目を並び替えます。同じ場所に格納される同種のファイルが、タイトルの最後の部分だけ変化するようにすることが重要です。

3.2 作成日

作成日は、タイトルの最初または最後につけます。作成日の形式は「yyyymmdd」とし、和暦や「yymmdd」形式は避けます。

作成日の位置は、ファイルの種類や用途に応じて決めます。 時系列化が重要な保管的情報の場合は最初に、高頻度で更新されるファイルや少量のファイルの場合は最後につけるのが適しています。

4. タイトルの基本ルール

  1. 事業年度は、FYyyyymm (例: FY202303)
  2. スペース・全角英数字記号は使わない
  3. "_"(アンダーバー)はツリー・タグレベルの要素が変わるとき、"-"(ハイフン)は要素が続くとき(例えば、「2023-04」)
  4. 英語はスペースを入れず単語の頭を大文字にする(キャメルケース)
  5. ・Final等、相対的概念は使用しない

これらのルールを適用することで、データの整理・検索・共有が容易になります。

5. フォルダとファイルの命名例

5.1 フォルダの命名例

経理関連のフォルダ構造は以下のようになります。

  • 経理
    • 売上
      • 2023年
      • 2022年
    • 経費
      • 2023年
      • 2022年
    • 税務
      • 法人税
      • 消費税

5.2 ファイルの命名例

2023年4月の売上報告書のファイル名は以下のようになります。

  • 2023-04_売上報告書.xlsx

このファイル名には、対象期間(2023-04)と内容(売上報告書)が含まれており、ファイルの内容が一目で分かります。また、「2023」「04」「売上」「報告書」などのキーワードが含まれているため、検索性も高くなります。

適切な命名規則を適用することで、業務の効率化と正確性の向上が期待できます。

ファイル名は、内容を簡潔かつ明確に表現し、できるだけ略語や記号を使わず、分かりやすい言葉を使います。 日付(yyyyMMdd_hhmm)や番号などの識別子を含め、キーワードを含めて検索性を高めます。

まとめ

ファイル・フォルダの命名規則は、データの整理・検索・共有を効率的に行うために重要です。ツリー構造とタグ構造の特徴を理解し、タイトル整理の原則思想に基づいて、タイトルの基本形と基本ルールを適用することが求められます。

  • ・フォルダの命名規則は、主にツリー構造に基づいて設計する
  • ・ファイルの命名規則は、ツリー構造とタグ構造の両方の特徴を取り入れる
  • ・タイトルは、内容を的確に表現し、分かりやすい言葉を使う
  • ・日付や番号などの識別子を含め、キーワードを含めて検索性を高める

これらのルールを適用することで、データの整理・検索・共有が容易になり、業務の効率化と正確性の向上が期待できます。管理部門全体でこれらのルールを共有し、徹底することが重要です。

以上が、ファイル・フォルダの命名規則についての詳細な説明です。実際の業務に応用し、データ管理の効率化を図ってください。