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Part 2. わかりやすいエクセルの作り方

見やすいエクセルシートを作成するには、計算過程、レイアウト、表記、配色、ファイル管理、罫線などの様々な要素に注意を払う必要があります。 計算過程では、関数を活用し、計算の流れを明確にすることが重要です。レイアウトでは、人間の認知特性を考慮し、直感的に理解できるようにします。表記と配色では、一貫性と視認性を高めるためのルールを設定します。 ファイル管理では、作業効率を上げるための規則を決め、罫線やレイアウトでは、シンプルで見やすいデザインを心がけます。 これらの要素を適切に組み合わせることで、誰もが理解しやすく、効率的に作業できる見やすいエクセルシートを作成できます。

そもそもなぜ、Excelをわかりやすく作らなければならないのか

エクセルをわかりやすく整える最大の理由は、後々まで「スムーズな業務運用」を可能にする点にあります。 具体的には、以下の要素が挙げられます。

第一に、わかりやすい構造は「ミス防止」に直結します。 複雑な数式ではなく、計算過程がセルに分割され計算がわかりやすければ、入力間違いや計算間違いを見つけやすくなります。 上場会社のIRでもエクセルの集計ミスだと思われるような訂正開示があったり、一般に高学歴とされる戦略コンサルタントが作ったであろう事業シミュレーションエクセルにも間違いがよくあります。 わかりやすく作られたエクセルは、これらの誤った数値に基づく経営の意思決定を避けられます。

第二に、データの参照元を明確にし、 Ctrl +[ のショートカットで参照元へトレースがしやすくすることは「作業効率化」に貢献します。 チェック時間が短縮され、更新やレビューを繰り返す場面でも手戻りが減ります。 プロフェッショナル人材1人の1時間あたりの単価は1.5万円くらいしますのでそんな人たちが何時間もわかりにくいエクセルと戦っているのです。 わかりやすいエクセルには無駄なコストを削減する力があります。

第三に、  将来の閲覧者への配慮が重要です。 1年後の自分や他部門の担当者が見ても一目で理解できる形なら、引き継ぎ時の混乱や説明コストが下がり、チーム全体の生産性向上につながります。 コミュニケーションにはコストがかかることを忘れないでください。

第四に、「更新容易性」の確保です。 レイアウトやデータ構造、シート構造が理路整然としていれば、新データ追加や計算条件変更が発生しても、修正が容易で長期的な保守コストが低く抑えられます。

わかりやすく作られたエクセルの価値は見過ごされがちです。 これらすべてがエクセルをわかりやすく作る価値です。

各ページの概要
ページ 概要
わかりやすい配色で作ろう 色数を最小限に抑え、文字色の意味づけや値貼り付けの色分けなど、配色ルールを決めて視認性を高める方法を確認します。
わかりやすい表記/罫線/レイアウトで作ろう フォントの統一、行/列の幅と高さ、インデントの活用など、表記ルールを決めることで見やすさを向上させる方法を確認します。
人間の認知に沿ったレイアウトで作ろう ゲシュタルトの法則や時間・論理の流れを活用し、人間の認知特性に合わせたExcelレイアウトの作成方法を確認します。
計算式・関数をシンプルに保とう(計算の分解) 複雑なExcel計算式を分かりやすく分解する方法を確認します。 セル分割やINDEX/MATCH関数、SUMIFS関数の活用で、計算過程を視覚化し、エラーを減らす技術を学びます。
シートの役割を3つ(データ・計算・表示)にわけよう シートの役割を3つ(データ・計算・表示)に分けることで、エクセルファイルの管理性と可読性を向上させる方法を解説します。
表の合計を作るときは、余白の行や列を設けてSum関数の更新をしやすくしよう Sum関数を使用する際の効率的な更新方法と、余白の活用による保守性の向上について解説します。