商品仕入
まず、リンゴをアゴヒゲさんから仕入れるところから確認します。
商品仕入 - 現金
Q-001_商品の現金仕入
クチヒゲさんは、商品であるリンゴを1つあたり100円で3コ仕入れました。 @100円✖3コ=300円です。
簿記の問題では、合計金額のみが与えられることが多いですが、 後述する「値引・返品・割戻・割引」を理解するうえでも、 「単価」と「数量」に分けて考えることをおすすめします。
まず、現金及び預金の動きに注目しましょう。 この取引で現金300が減りました。仕訳の右側に「資産のー」として、「現金 300」と記録します。 3分法によって商品の仕入を記録する場合、仕訳の左側に「費用の+」として、「仕入」勘定を使って記録します。
日付 | 左側 | 右側 | ||
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勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
20X1年4月5日 | 仕入 | 300 | 現金 | 300 |
商品の掛け仕入と買掛債務の支払い
Q-002_商品の掛け仕入
商品を仕入れたのはQ-001と同じですが、今回は仕入代金の全額を「掛け」にしました。 掛けで取引した場合、後日、あらかじめ取引先と決めた期日に代金の全額をまとめて支払うことになります。
掛けで仕入れたときには、後日その代金を支払う義務である、「買掛債務」が仕入先に対し発生します。
仕訳の右側に「負債の+」として、「買掛金」勘定を使って記録します。
仕訳の左側はQ-001と同様です。3分法では「費用の+ 」として、「仕入」勘定を使って記録します。
日付 | 左側 | 右側 | ||
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勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
20X1年4月6日 | 仕入 | 300 | 買掛金 | 300 |
Q-003_買掛債務の支払
Q-003の取引では買掛債務が発生しました。 仮に、この買掛債務の決済条件が「当月締め、翌月末払い」とした場合、 4月に発生した仕入代金の全額を 5月末日に支払うことになります(今回は4月6日の取引で発生した債務300だけだったと仮定していることになります)。
日付 | 左側 | 右側 | ||
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勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
20X1年5月31日 | 買掛金 | 300 | 現金 | 300 |
仕入代金の前払と商品仕入れ
Q-004_商品仕入 - 代金前払
事前にある程度の金額を手付金・着手金として取引先に支払うことがあります。 この取引は、仕入先の立場で考えみましょう。 取引金額が大きくなればなるほど、代金が回収できなかったときのダメージは大きくなります。 そんなときに備えて、前金で代金の一部または全部を支払ってもらいます。
まず、現金及び預金の動きに注目しましょう。
この取引で現金300が減りました。
仕訳の右側に「資産のー」として、「現金 300」と記録します。
商品を仕入れる前に仕入代金を支払えば、後日、仕入先に対し、商品を受け取る権利である「前払債権」が発生します。
この前払債権は、仕訳の左側に「資産の+」として、「前払金 300」と記録します。
日付 | 左側 | 右側 | ||
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勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
20x1年4月9日 | 前払金 | 300 | 現金 | 300 |
Q-005_商品仕入 - 前払債権と相殺
これまで見てきたように、3分法によって商品売買取引を記録する場合、商品を仕入れたときに、「費用の+ 」として、「仕入」勘定を使って記録します。
先に仕入代金を支払うことで発生した「前払債権(Q-004で発生)」は、商品を受け取ることで精算されます。 この前払債権の減少を、仕訳の右側に「資産のー 」として、「前払金」と記録します。
日付 | 左側 | 右側 | ||
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勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
20x1年5月10日 | 仕入 | 300 | 前払金 | 300 |
まとめ 一連の流れ
商品であるリンゴの受取りとその仕入代金の決済(現金の支払い)を同時に行うのか、どちらかを先に行うかで債権もしくは債務が発生することに注目してください。