【図解】簿記3級 - 帳簿の仕組み
帳簿の仕組みは最初、つかみにくいものです。
ここでは、まずざっくりと全体像をつかみ、各章にて詳細に解説します。
「帳簿」は取引の記録を残すところ
取引の発生を記録する記録媒体のことを「帳簿」といいます。
帳簿には、紙媒体(紙面)と電子媒体(ビット)があり、日商簿記検定や商業高校で学習する簿記では、多くの場合、紙媒体を前提に解説がなされます。
一方、実務ではFreeeやマネーフォワードや弥生会計、人によってはExcelなどのアプリケーションを使って電子的な帳簿に記録を行います。
このように、帳簿は特に、実務との乖離が大きくなりがちなので、注意が必要です。
根本的なところはほぼ同じです。
しかし、紙を前提にした帳簿とビットを前提にした帳簿は、見た目(デザイン)も違えば、データの持ち方も違います。
このあたり、詳細は別に解説します。
ここでは、日商簿記検定などで学習することになる、紙を前提にした帳簿を確認します。
主要簿と補助簿に分けられる
帳簿は、大きく2つに分けられます。
1つ目は、 財務諸表の作成のために必要な「主要簿」です。
2つ目は、主に内部管理のために作成する「補助簿」です。
主要簿は、仕訳帳と総勘定元帳の2つ
主要簿は、「仕訳帳」と「総勘定元帳」の2つです。
主要簿は、複式簿記において、欠くことのできない重要な帳簿です。 なぜなら、最終的な報告書となる財務諸表(B/S・P/L等)は、主要簿から作るからです。
したがって、仕訳帳と総勘定元帳に、会社の(簿記上の)取引が全て記録されることになります。
1-1_仕訳帳
1-2_総勘定元帳
総勘定元帳は、各勘定科目毎に仕訳の内容を集計する帳簿です。
各勘定の記入方法は、次のように「標準式」と「残高式」の2つあります。
現金勘定を例に、2つの形式の違いを確認します。
1_標準式
2_残高式
補助簿は、目的によって使い分ける
補助簿は、「補助記入帳」と「補助元帳」の2つから成ります。
-
補助記入帳
特定の 取引 の明細を記録するものです。 -
補助元帳
特定の 勘定 について、取引先別(仕入先別や得意先別など)、 品目別(リンゴ・ミカン・バナナ別など)または、種類別(備品種類別・建物種類別・車種別など)に 明細を記録するものです。
会社外部に対する報告書である財務諸表を作成する目的からみれば、あくまで補助的な位置づけであるため、補助簿は無くてもよいものです。 しかし、主要簿だけでは情報が足りない場合があります。
たとえば、売掛金残高のうち、A社・B社・C社に対するそれぞれの残高をすぐに知ろうと総勘定元帳の売掛金勘定をみても、すぐにはわかりません。
補助元帳のうち、売掛金元帳(得意先元帳)を別に設け、これを使って得意先別に売掛金の記録を付けます。
補助簿は、会社内部で利用するため(取引先別の債権・債務管理のためなど)に作成されます。
補助記入帳
補助記入帳は、特定の取引について、取引の発生順に記録する補助簿です。
各補助簿の内容については、それぞれのページで後述します。
小口現金出納帳
小口現金の収支を記録します。
現金出納帳
現金の収支を記録します。
当座預金出納帳
当座預金の収支を記録します。
仕入帳
仕入取引の詳細を記録するための帳簿です。
売上帳
売上取引の詳細を記録するための帳簿です。
受取手形記入帳
手形債権の発生と消滅を記録します。
支払手形記入帳
手形債務の発生と消滅を記録します。
補助元帳
補助元帳は、特定の勘定について、品目・取引先別又は種類別に区別して記録する補助簿です。
固定資産台帳
補助簿_固定資産台帳