商品売上
次に、アゴヒゲさんから仕入れたリンゴをレストランを経営するハートさんに売上げたときの会計処理を確認します。
商品売上 - 現金
Q-006_商品の現金売上
商品であるリンゴを1つあたり200円で3コ売り上げました。 売上高は、@200円✖3コ=600円です。 もともとの1つあたりの仕入値は@100だったので、リンゴ1つあたり100(合計300)の儲けが生まれました!素晴らしいですね。
まず、現金及び預金の動きに注目しましょう。この取引では現金600が増えました。 仕訳の左側に「資産の+(増加)」として、「現金 600」と記録します。 3分法によって商品売買取引を記録する場合、商品が売れたときに、 「収益の+(発生)」として、その売上金額の全額を「売上」勘定で記録します。
日付 | 左側 | 右側 | ||
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勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
20X1年4月8日 | 現金 | 600 | 売上 | 600 |
商品の掛け売上と売掛債権の回収
Q-007_商品の掛け売上
商品を売上げたのはQ-006と同じですが、今回は売上代金の全額を「掛け」にしました。 掛けで取引した場合、後日、あらかじめ取引先と決めた期日に代金の全額をまとめて受け取ることになります。
掛けで売上げたときには、後日その代金を受け取る権利である、「売掛債権」が得意先に対し発生します。 仕訳の左側に「資産の+(増加)」として、「売掛金」勘定を使って記録します。 仕訳の右側はQ-006と同様です。 3分法では「収益の+(発生)」として、その売上金額の全額を「売上」勘定で記録します。
日付 | 左側 | 右側 | ||
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勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
20x1年4月9日 | 売掛金 | 600 | 売上 | 600 |
Q-008_売掛債権の回収
Q-007の取引では売掛債権が発生しました。 仮に、この売掛債権の決済条件が「当月締め、翌月末払い」とした場合、 4月に発生した売上代金の全額を 5月末日に受け取ることになります。
日付 | 左側 | 右側 | ||
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勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
20x1年5月31日 | 現金 | 600 | 売掛金 | 600 |
売上代金の前受と商品売上げ
Q-009_商品売上 - 代金前受
Q004で確認したように、今回は当社が売上側であり、ハートさんが仕入側です。
まず、現金及び預金の動きに注目しましょう。 この取引で現金600が増えました。 仕訳の左側に「資産の+(増加)」として、「現金 600」と記録します。 商品を引き渡す前に売上代金を受けとれば、後日、得意先に対し、商品を受け渡す義務である「前受債務」が発生します。 この前受債務は、仕訳の右側に「負債の+(増加)」として、「前受金 600」と記録します。
日付 | 左側 | 右側 | ||
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勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
20x1年4月10日 | 現金 | 600 | 前受金 | 600 |
Q-010_商品売上 - 前受債務の精算
先に売上代金を受け取ることで発生した「前受債務」は、商品を引き渡すことで精算されます。 この精算した前受債務は、仕訳の左側に「負債のー(減少)」として、「前受金 600」と記録します。 3分法によって商品売買取引を記録する場合、商品が売れたときに、 「収益の+(発生)」として、その売上金額の全額を「売上」勘定で記録します。
日付 | 左側 | 右側 | ||
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勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
20x1年5月10日 | 前受金 | 600 | 売上 | 600 |
まとめ 一連の流れ
商品の引き渡しと同時に、売上代金も決済していれば、その会計処理はシンプルです(商品の現金売上_Q-006)。
代金の決済が商品の引き渡しと同時ではなく、商品引き渡しの前(商品売上 - 代金前受_Q-009)でも後(商品の掛け売上_Q-007)でも、債権・債務は決済されます。 結局、「現金」がどうなるのかと考えれば、シンプルに仕訳を整理できるようになるかもしれません。