「売掛金」と「未収入金」と「未収収益」の違いとは
この3つの勘定科目は、「将来的に金銭を受け取る権利(債権)」を表す資産の勘定科目です。
つまり、モノ(物・サービス)の提供が完了したが、いまだ未回収の代金(対価)のことです。
この「未回収の代金」について、
①取引が一度きりか否か、
②主たる営業活動で発生したものか否かで3つに分かれます。
取引図も含めるとこんなイメージです。詳細は次に確認します。
クチヒゲさんの例を使って確認してみます。
これまで確認してきたように、債権はその対価を現金などで回収すれば、消滅します。
「売掛金」のイメージ
八百屋を経営しているクチヒゲさんにとって、商品(リンゴ)の売上に関する債権が「売掛金」です。
単発な取引(リンゴ3つを売上げ)で発生し、かつ、リンゴを顧客に引き渡すことはクチヒゲの本業である営業取引です。
「未収入金」のイメージ
クチヒゲさんにとって、有形固定資産の売却に伴って発生した債権が「未収入金」です。
単発な取引(車1つを売却)で発生し、かつ、以前、投資した資産の売却なのでこれは営業取引ではなく投資に関する取引です(「車」への投資を売却によって精算)。
「未収収益」のイメージ
契約に基づく継続的な役務の提供に伴って発生した債権が「未収収益」です。
これは、一定期間に、サービス提供することで(時間の経過に伴って)発生します。
例えば、建物や土地などの賃貸借契約(参照:【Part8 土地・建物の賃貸借】)、金銭を貸し借りする金銭消費貸借契約、保険契約などです。
以下の図では、6か月間の賃貸借契約(毎月100の家賃発生、その家賃の受取は契約終了時の6か月後に全額の600を受け取る)を結んだ場合で考えてみます。
毎月100の家賃収益が発生しますが、これの未収債権を「未収収益(未収家賃)」勘定で記録していきます。
毎月100ずつ加算されていくことに注目してください。
サービスを提供しているのですから、代金は未受領でも、収益が発生します。
収益と同額を未収債権として資産に記録していくわけですね。
まとめ
未回収の「債権」について、①取引が一度きりか否か、②主たる営業活動で発生したものか否かで3つに分かれました。
再度、スライドを通し、パラパラと確認しましょう!
参考_未収収益の定義
企業会計原則の定義もついでに確認しておくとよいかもしれません。