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「前受金」と「前受収益」の違いとは

さきほど、売掛金と未収入金と未収収益の違いを確認しました。
先ほどとの違いでいえば、先に代金(対価)をもらったということだけです。

つまり、この2つの勘定科目は、「将来的にモノ(物・サービス)を引き渡す義務(債務)」を表す負債の勘定科目です。

代金は預かったが、「未だ提供していないモノを将来的に提供する義務」について、その対象となる取引が一度きりか否かで2つに分かれます。 なお、有形固定資産の例をいれていないのは、売却に伴って代金を前受けすることがあまりないためであり、仮に前受けすることことがあれば、「前受金」です。

取引図も含めるとこんなイメージです。
1つ前に確認した売掛金、未収入金、未収収益は、モノの提供が、その代金受領はでした。
したがって、後日代金を受け取る権利(債権)が発生しました。

これに対し、前受金、前受収益は、お金をにもらい、モノの提供を後日行います
したがって、後日、モノを提供する義務(債務)が発生しました。
要するに、この2つの順番が入れ替わっているだけの違いしかありません。これによって債権債務の関係が変化します。 (詳細は次に確認します)

クチヒゲさんの例を使って確認してみます。
これまで確認してきたように、債務は義務を履行すれば、消滅します。

「前受金」勘定のイメージ

八百屋であらかじめ代金を前受けすることはあまりないとは思いますが、仮に受け取ったとします。 後日、商品(リンゴ)を引き渡す義務が「前受金」です。

この債務は「後日、商品(リンゴ)を引き渡す義務」なので、商品を引き渡せば消滅します。 また、商品を引き渡せば、収益(売上)が発生します。

「前受収益」勘定のイメージ

契約に基づく継続的な役務の提供を行う前に、未提供の役務に対する対価の受取によって発生した債務が「前受収益」です。

以下の図では、6か月間の賃貸借契約(毎月100の賃料発生、その家賃の受取は契約時に全額の600を受け取る)を結んだ場合で考えてみます。
契約時点で、役務提供の対価の全額600を受け取っていることに注目してください。 当然、まだ役務提供は完了していないので、その全額を債務、つまり、後日サービス提供を行う義務として、「前受収益(前受家賃)」勘定で記録します。

時間の経過によって、毎月100ずつ債務が減少することに注目してください。

まとめ

再度、スライドを通し、パラパラと確認しましょう!

参考_前受収益の定義

企業会計原則の定義もついでに確認しておくとよいかもしれません。