「買掛金」と「未払金」と「未払費用」の違いとは

クチヒゲさんの例を使って確認してみます。
これまで確認してきたように、債務は義務を履行すれば、消滅します。

「買掛金」のイメージ

八百屋を経営しているクチヒゲさんにとって、商品（リンゴ）の仕入に関する債務が「買掛金」です。
単発な取引（リンゴ３つの仕入）で発生し、かつ、リンゴを仕入れる（かつ、それを販売する）ことはクチヒゲの本業である営業取引です。

「未払金」のイメージ

クチヒゲさんにとって、有形固定資産の購入に伴って発生した債務が「未払金」です。
単発な取引（車１つを購入）で発生したのでこれは営業取引ではなく投資に関する取引です。

「未払費用」のイメージ

契約に基づく継続的な役務の提供を受けたことで発生した債務を「未払費用」勘定で記録します。
これは、一定期間に、サービス提供を受けることで（時間の経過に伴って）発生します。

以下の図では、6か月間の賃貸借契約（毎月100の家賃発生、その家賃は契約終了時の6か月後に全額の600を支払う）を結んだ場合で考えてみます。
毎月100の家賃費用（「支払費用」勘定で記録）が発生しますが、これの未払債務を「未払費用（未払家賃）」勘定で記録していきます。 毎月100ずつ加算されていくことに注目してください。
サービスを消費しているのですから、代金は未払いでも、費用は発生しています。
費用と同額を未払費用として負債に記録していくわけです。

なおこのとき、まだ支払っていなくても、費用の勘定が「支払家賃」となっていることは大変混乱しますが、 これはもう費用として発生しており、家賃に関する費用の勘定科目が「支払家賃」を使っているからと理解してください。 ちなみに、「支払家賃」勘定ではなく、「地代家賃」勘定を使って駐車場などなどの支払地代と一緒にする場合もあるため、 勘定科目とはある意味ではいい加減なものだ、ということでよいと思います。

まとめ

未払いの「債務」について、①取引が一度きりか否か、②主たる営業活動で発生したものか否かで3つに分かれました。
再度、スライドを通し、パラパラと確認しましょう！

参考_未払費用の定義

企業会計原則の定義もついでに確認しておくとよいかもしれません。