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【図解】簿記3級 - 減価償却

※減価償却については、「 10. 有形固定資産 」でも確認してきました、以下ざっくりと復習します

1_減価償却は、費用を収益に対応させる手続き。

建物や車両などの「有形固定資産」はそれを 複数年に渡り、自社のビジネスで使用することによって、お金(収益)の獲得に貢献する資産 です。 車を利用して、商品を乗せて配送します。建物を利用して、雨風をしのぎ、魅力的な店舗を作り、商品を販売します。 商品などの「棚卸資産」は 直接顧客へ販売することによって お金にかわる資産でした。

そこで、固定資産を利用することで得られる収益に対応させ費用(減価償却費)を計上しようとするもの、これが「減価償却」でした。

ただし、実際には、時間の経過によって、どの程度価値が減少していくか、 どのくらいの収益に貢献しているのかを算出することは簡単ではないため、人為的な計算方法に基づき各パラメータを見積もり、ざっくりと減価償却費を算定します。

2_簿記3級では、減価償却費の計算方法に「定額法」を使う。

簿記3級では 定額法のみ 学習します。

2-1_定額法は、取得原価・耐用年数・残存価額の3つで計算する。

定額法は次の計算式で求め、計算式を構成する要素は、「取得原価」、「耐用年数」と「残存価額」の3つです。 1年分の償却費が毎期定額になることが特徴です。

取得原価とは、取得に要した金額のことでした、これには付随費用を含めました。

耐用年数とは、固定資産の利用すると見込んだ年数のことです。

残存価額とは、固定資産を使用し終えたときに残っているだろうと見込んだ価値部分のことです。

※「減価償却方法」・「耐用年数」・「残存価額」について、各企業の固有のビジネス環境を考慮し、自らが決定すべきものです。 ただ、それはとってもめんどくさいため、多くの企業は、法人税法に定められた減価償却方法、耐用年数、残存価額の設定を参照しています。 ここにリンクを乗せてもいいのですが、国税庁のURLは突然、変更されることがあり、ページが存在しなくなることがよくあります。。。 「国税庁 主な減価償却資産の耐用年数表」などで検索してみてくださいm(__)m

たとえば、期首に300で取得した車両運搬具(残存価額30、耐用年数3年)の 1年目の減価償却費は90 です。このときの貸借対照表の「車両運搬具」の金額は210です。
これが2年目の期末では減価償却費として同額の90が資産から費用へ振り替えられます。このときの貸借対照表の「車両運搬具」の金額は120です。
このように毎期、固定資産から費用へ振替えることによって、時間の経過による価値の減少分を費用に計上しようとし...
さらに、費用を収益と対応させることで適正な期間損益計算を行おうとするのが、「 減価償却 」です。
※したがって、将来の見込み収益がゼロになりそうなら、そこで使用する固定資産の簿価もゼロにする(すべての簿価を費用に振り替える)手続きが「減損」でした 減価償却と減損の違い
たとえば、期首に300で取得した車両運搬具(残存価額30、耐用年数3年)の 1年目の減価償却費は90 です。このときの貸借対照表の「車両運搬具」の金額は210です。
これが2年目の期末では減価償却費として同額の90が資産から費用へ振り替えられます。このときの貸借対照表の「車両運搬具」の金額は120です。
このように毎期、固定資産から費用へ振替えることによって、時間の経過による価値の減少分を費用に計上しようとし...
さらに、費用を収益と対応させることで適正な期間損益計算を行おうとするのが、「 減価償却 」です。
※したがって、将来の見込み収益がゼロになりそうなら、そこで使用する固定資産の簿価もゼロにする(すべての簿価を費用に振り替える)手続きが「減損」でした 減価償却と減損の違い

3_減価償却費は、月割り計上する。

期首に固定資産を取得すれば12ヶ月分の減価償却費を計上します。 期中に取得し、使用開始した場合は、1年間分の減価償却費を 月割計算 します。

4_簿記3級では、間接法で減価償却の仕訳をきる。

日商簿記3級では、間接法のみが出題範囲です。

間接法は、仕訳の右側に「 減価償却累計額 (資産▲)」勘定を使って記録する方法です。

この方法であれば、貸借対照表において取得原価300から減価償却累計額が控除されて表示することができ、財務諸表の利用者にとっても有用な情報提供ができます。

設例。

取得、減価償却、売却までの一連の流れにおける会計処理を整理しましょう。

有形固定資産 - 取得_Q-086
期首に営業用の車両240を購入し、代金は現金240で支払った
有形固定資産 - 減価償却_Q-091
決算において期首に購入した営業用車両(取得原価240、耐用年数4年、残存価額は0、間接法)について、定額法により減価償却を行った。
有形固定資産 - 減価償却_Q-099
決算において20X1年4月1日に取得した営業用車両(取得原価240、耐用年数4年、残存価額はゼロ、間接法)について、定額法により減価償却を行った。
有形固定資産 - 減価償却_Q-100
決算において、20X1年4月1日に取得した営業用車両(取得原価240、耐用年数4年、残存価額はゼロ、間接法)について、定額法により減価償却を行った。
有形固定資産 - 売却_Q-092
営業用の車両(取得価額240、期首減価償却累計額180、当期減価償却費20、残存価額0、間接法)を20X4年7月30日に100で売却し、代金100を現金で受け取った

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有形固定資産 - 取得_Q-086
期首に営業用の車両240を購入し、代金は現金240で支払った

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有形固定資産 - 減価償却_Q-091
決算において期首に購入した営業用車両(取得原価240、耐用年数4年、残存価額は0、間接法)について、定額法により減価償却を行った。

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有形固定資産 - 減価償却_Q-099
決算において20X1年4月1日に取得した営業用車両(取得原価240、耐用年数4年、残存価額はゼロ、間接法)について、定額法により減価償却を行った。

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有形固定資産 - 減価償却_Q-100
決算において、20X1年4月1日に取得した営業用車両(取得原価240、耐用年数4年、残存価額はゼロ、間接法)について、定額法により減価償却を行った。

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有形固定資産 - 売却_Q-092
営業用の車両(取得価額240、期首減価償却累計額180、当期減価償却費20、残存価額0、間接法)を20X4年7月30日に100で売却し、代金100を現金で受け取った

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